- 児童扶養手当をが減額になると損した気分になる。
- できれば児童扶養手当は満額ほしい。
確かにお仕事がんばって年収アップしたのに、児童扶養手当が減額になると、損した気分になりますよね。
ひとり親の方は多くの場合、家計を1人で支えなくてはなりません。
児童扶養手当はなるべくたくさんもらいたい、と思うのは当然ですよね。
そんなときにふと思うのが、児童扶養手当に関するいくつかの疑問。
- 児童扶養手当が多い方が、経済的に豊かになれるのか。
- 児童扶養手当を満額もらうための収入調整は有効なのか。
- 児童扶養手当を少しでも多くもらうための裏ワザはないのか。
そんな希望に、明確な答えをお伝えしたいと思います。
- 児童扶養手当を満額もらうために収入を減らす意味はあるのか検証結果
- シングルマザーが損してしまう年収
- 児童扶養手当を多くもらうための合法的な裏ワザ:iDecoで+年収27万円!
ぱっと読むための目次
児童扶養手当を満額もらうために収入を減らす意味はあるのか検証結果
児童扶養手当を満額もらえないボーダーラインを気にする方も多いと思います。
でも実は、満額もらえなくても損をするということはありません。
こちらのグラフは、児童扶養手当を含めた年収の推移となります。
※子供1人、養育費なしでざっくり計算をした結果です。
年収が上がれば、その分児童扶養手当は減ります。
でも、総合的な収入は右肩上がりです。
それ以外にもこんなデメリットがあります。
- 子供が18歳になり児童扶養手当の受給対象外になった後の生活がかなり厳しい。
- 将来もらえる年金が減るため、一生お金に困ることになる。
ただ、下記のような人であればできる限り児童扶養手当を多くもらう調整は、賢い方法になると思います。
- 将来に備えてすでに十分な貯蓄がある。
- 住居費含め、固定費がかなり低く抑えられている。
そうではない場合は、とにかく稼いで、貯めて、増やすことができるようにならないと、経済的な豊かさとは縁遠いままです。
シングルマザーが損してしまう年収
とにかく稼げば稼ぐほど、経済的には豊かになる、右肩上がりだーと申しました。
ただ1つだけ、損してしまうポイントがあります。
それが、児童扶養手当の所得制限を少し超えたあたりのラインです。
- 子供1名であれば、年収370万円前後
- 子供2名であれば、年収420万円前後
- 子供3名であれば、年収470万円前後

扶養人数 | 全部支給 | 一部支給 |
---|---|---|
0人 | 49万円 | 192万円 |
1人 | 87万円 | 230万円 |
2人 | 125万円 | 268万円 |
3人 | 163万円 | 306万円 |
4人 | 201万円 | 344万円 |
5人 | 239万円 | 382万円 |
特に所得制限を少し超えた付近だと、年間15.8万円も損をしてしまうケースも。
- 児童扶養手当が1円も受給できない。(△年12.6万円~)
- 就学援助費が受けられなくなる。(△年1.2万円)
- 水道料金の免除がされなくなる。(△年1.5万円)
- 有料ゴミ袋の免除がなくなる。(△年5千円)
などなど。
児童扶養手当を受給できていることが条件で優遇されていたものが一気になくなります。
他にも援助されていたものがあればその差はさらに広がります。
特に所得制限の上限近くの年収の方は、注意が必要です。
児童扶養手当(母子手当)を多くもらうための合法的な裏ワザ
シングルマザーにとって損をしてしまう年収ゾーンの方。
少しでも児童扶養手当を多くもらいたい方。
そんな方のために、裏ワザをご紹介します!
より多くの方がチャレンジできそうな方法として、iDeco(確定拠出年金制度)をご紹介します。
説明をする前に、児童扶養手当の計算をするうえで、重要なのが「控除」。
控除の金額が多ければ多いほど、児童扶養手当が増えるとざっくり思っておいてください。
- 社会保険料控除 一律8万円
- 給与所得に関わる控除 一律10万円
- 医療費控除 実費
- 雑損控除 実費
- 小規模企業共済等掛金控除 実費
安心してください。
これらの控除を全部理解しなくても、全然問題ありません。
今回は、「小規模企業共済等掛金控除」の1つ、「iDeco」で積み立てた分は全額控除するよっていう制度を使って、合法的に児童扶養手当を多くもらう方法についてご紹介していきます。
iDecoよくわからん、という方は、こちらの動画がわかりやすくておすすめです。
では、iDecoに加入することでどれくらい児童扶養手当が増えるか、例を見てみましょう。
年収240万円(40歳未満、子供1名)&iDecoで月1万円(年12万円)積み立てると・・・
ざっくりですが、年2.4万円受給額が増えます。
積立額を増やせばその分、児童扶養手当の受給額も増えていきます。
理由は「iDecoで積み立てた全額を、年収から差し引いて児童扶養手当を計算してくれる」からです。
iDecoによって増えるのは児童扶養手当の金額だけではありません。
- 児童扶養手当の受給額が増える
- 年末調整で戻ってくる金額が増える(=所得税が減る)
- 住民税の支払額が減る
- 公営住宅の家賃が安くなる
- 保育料が安くなる(3歳未満)
こられを踏まえると、年収240万円のシングルマザーの場合、ざっと年4.2万円ほど手取が増える計算となります。
そして、特にこの裏ワザが非常に有効的な年収が先ほど紹介した、シングルマザーが損してしまう年収ゾーンの方です。
年収370万円(40歳未満・小学生の子供1名)の場合。
この条件だと、児童扶養手当の所得制限の上限を超えているので、通常は児童扶養手当はもらえません。
でも、iDecoに月1万円・年12万円積み立てた場合、所得が減って児童扶養手当の所得上限内に入ることができます。
そして一番のポイントは、児童扶養手当がもらえるだけではなく、児童扶養手当を受給していることで対象となる下記の恩恵が受けられること。
- 就学援助(学用品、給食費など)
- 水道料金の一部免除
- 有料ゴミ袋の減免
- 公共交通機関の割引

結果、ざっくり計算しても27.2万円分、手取が増やすことができる、というわけです。
児童扶養手当(母子手当)の裏ワザのデメリット
iDecoの活用は良いことばかりではありません。
- 60歳まで引き出せない。
- 月々積み立てられる上限がある。
- 途中で辞めれない(積立ストップ&再開は可能)
- 手数料がかかる(加入時+月額管理料)
- 受取時に、手数料がかかる場合も。
- 投資なので元本割れのリスクはある。
- 適正なリスクをとることができるレベルの投資知識は必要。
iDecoは20年とか30年など長期的な目線でいえば、元本割れをして損をする可能性は極めて低いとはいえると思います。
ただやはり投資には違いはないので、まったくの知識ゼロでスタートするよりかは、ある程度の理解はしておいた方が、自分を守ることができます。
そもそもiDecoで積み立てるためのお金をねん出するのが難しいという方もいると思います。
そんな場合は、現在の家計の見直しをしてみましょう。
- ムダな生命保険に加入していないか。月5000円以上はムダな保険の可能性が高い。
- スマホ代で月3000円以上支払いをしていないか。
- 車両保険をつけていないか。
- 電気やガスは一番お得なプランになっているか
- 使っていないサブスクはないか
いかに生活スタイルを変えずに支出を減らせるかが、ポイントです。
そのため、1つ1つは少ない金額かもしれません。
でも月1万円の収入を増やすよりは難易度はかなり低いはず。
安い家賃の家に引っ越しをしたり、車を手放すなど、生活を大きく変えれば、もっとお金をねん出することはできます。
まずは生活スタイルを変えずに、月1万円ねん出できないか。家計を見直す。
そして、ねん出した1万円をiDecoで積み立てる。
すると、
- いまの収入を増やすことができる。
- 老後の蓄えを作ることができる。
まさに一石二鳥♪
養育費の申告をしないで所得を少なく見せると・・・痛い目を見ます。
児童扶養手当は、養育費の8割を加算して所得の計算をします。
思わず悪いことを考えてしまいたくなる気持ち、わからなくはないです。
養育費を正しく申請しないと、罰則があります。
遡って返還するだけではなく、懲役刑に課せられることもあります。
[児童扶養手当法]
第23条 偽りその他不正の手段により手当の支給を受けた者があるときは、都道府県知事等は、国税徴収の例により、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収することができる。
第35条 偽りその他不正の手段により手当を受けた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。ただし、刑法(明治40年法律第45号)に正条があるときは、刑法による。
足立区HP「ひとり親手当を受給中の方へ、重要なお知らせ」
子供の悲しい顔・・・見たくないですよね。
必ず正しく申告しましょう。
まとめ:児童扶養手当(母子手当)で損をしないための裏ワザ
児童扶養手当を損せずもらえる裏ワザについてご紹介しました。
ポイントは、「いかに所得を減らすか」です。
- 収入を減らして、児童扶養手当を多くもらうのは意味がない。
- いかに所得を減らすががポイント。
- 所得を減らすためにできることが、iDecoの活用。
- iDecoで積み立てるために、生活を変えずにできるところから家計を見直してみよう。
お金がなくても、知識があれば豊かな暮らしに近づくことができます。
豊かな生活というのは、お金がたくさんあることではなく、いかにお金を賢く活用できるか、ということだと思っています。
お金はあくまでも、豊かになるための手段でしかありません。
賢くお金を手にして、満足度の高い使い方をすることで本当の意味での豊かさを得ることができると思っています。
自分のお金、家族のお金を守るために、しっかり勉強して、心もお財布も豊かな生活を送りましょう!
いろいろな考え方があると思いますが、少しでも参考になったのであれば幸いです。
