かつて、私はナチュラルに自分の不幸自慢話をしていました。
元パートナーに、どんなひどいことをされたのか。
どんな理由でシングルマザーになったのか。
酒のつまみとして。
ママ友との話のネタとして。
特になんの罪悪感もなく、
笑い話として、
その場が盛り上がると思って。
結果…
「人並み以上の苦労をして頑張って一人で生きてるシングルマザー」
という人とはちょっと違う称号をいただきました。(*’ω’ノノ゙☆パチパチ
めでたしめでたし。
ではなく、その称号に、その期待に応えなくては!
という謎の使命感に悩ませることもあります。
そんな時に出会ったこの本「嫌われる勇気」
数年前にドラマ化されたこともあるので、ご存じの方もいると思います。
この本を読んで、あることに気づきました。
それは、「不幸自慢をしているうちは、幸せにはなれない」ということ。
なぜ、不幸自慢をしていると幸せになれないのか。
今日はそんなお話をしたいと思っています。
不幸自慢をする目的
なぜ不幸自慢をしてしまうのか。
私の場合は、愚痴としてストレス発散として不幸話をしていたと思います。
特に現在進行形で、不幸真っただ中の時は、
誰か助けて----
っていう心の声が思わず外に漏れそうなくらいでした。
恋愛に関係する話って、不幸であればあるほどなんだか盛り上がるじゃないですか。
特にお酒の席や女性同士のおしゃべりタイムでは。
別に悪いことじゃないし、ストレス発散にもなるし、いいじゃない。
そんな風に思っていました。
不幸自慢は相手を支配しようとする心の表れ
不幸話で話のネタにするだけならよいのですが、
下記のような気持ちを少しでも持っているなら注意が必要です。
- 私の気持ちなんて、誰にもわからないでしょ。
- 簡単に変われるなんて言わないで!
こんな気持ちがあると、話のネタとして不幸話をしているつもりが、
不幸自慢となっている可能性があります。
アドラー先生は言うのです。
自慢は、劣等感の裏返し。
不幸自慢は、不幸である自分を特別扱いさせ、相手を支配しようとしている。
相手を支配しようなんて思ってないよ。
そうですよね。
不幸話をするときに、相手を支配しようなんてそんなこと考えていないですよね。
でも不幸話をすることで、人とは違う自分をアピールできる。
- こんな不幸にも耐え必死に生きている私はすごい。
- こんな不幸を背負っている私はかわいそうでしょ?
どちらにしても「自分は特別な存在であることに優越感に浸っている」と言うのです。
ママ友に勝ちたいから不幸自慢?
学校でよい成績をとったら褒められ、
悪い成績の時は叱られる。
足が速いと運動会のヒーロー・ヒロインになれ、
そうではないと、その他大勢。
なにか良いことをしたり、
人より優れていると、それだけで注目される。
でもその結果、どんなことでも競争せざるを得ない自分ができあがっていたようです。
そして競争をするからには勝ちたい。
例えばママ友と自分を考えてみる。
ママ友はみんな旦那がいて、
2人目どうする?とか、旦那の愚痴の話ばかり。
シングルマザーの私はなんだか取り残される気さえする。
大多数の人の状況と自分が違うと感じる場合、なんだか負けた気がする。
他に自分が優位に立てるもの・勝てるものがない。
そんなときうってつけなのが、誰にもわからない自分の不幸話。
旦那がいるママ友にはわからない、シングルマザーの不幸話をすることで、
少しでもそんな負けた気分を取り戻したい。
でも、アドラー先生は言います。
不幸を武器にして特別な存在をアピールしても幸せにはなれない、と
アドラー先生は厳しいです。実に厳しい。
ママ友に不幸話をした結果
先に言うと、私のママ友は本当に良い人ばかりです。
私のシングルマザーになった理由や不幸話を聞いて、
「人並み以上の苦労をして頑張って一人で生きてるシングルマザー」として認知してくれ、
心配してくれたり、助けたりしてくれています。
私ももちろん、ママ友を助けることもあります。
お互い助け合いをできているという意味で、良い関係が築けていると思っています。
ただ、こんなことを言われるとき、ハッとすることがあります。
- こりんさんはシングルマザーで大変だから、〇〇しなくて大丈夫だよ。
- ワンオペ育児つらすぎる。これを毎日やってるこりんさんはえらいよ。
- シングルマザーだから、給食費払わなくてよくてうらやましい。
いやみとかではなく、気を使ってくれたり、褒めてくれたりしているだけだと理解はしています。
でもふと思うのです。
- 仕事は在宅でしているから、一般のワーキングママより時間の融通はきく。
- ワンオペって言っても、実はあまり大変だと思ったことがない。
- 給食費は確かに、就学援助で今は払ってはいないけど。。。
手当なしで生活できるくらい稼いでやろうと思ってるし。
でもそんなことを言うと、なんだか申し訳ない気分になって、
大変じゃないけど大変そうにしてみたり、
全然大丈夫だけど、大丈夫じゃなさそうにしてみたり。
気づくとなろうとしている自分にハッとするのです。
他人の価値観で生きているうちは、幸せになれない。
でもそんな価値観を他人に植え付けたのは、他の誰でもない自分。
そんな風に考えるようになったいま、
不幸自慢はしないって心に決めています。
(お酒の席での自分までコントロールできるか自信はないけど。。。)
だって幸せになりたいですもの。
少しでもあなたのためになることがあったのであれば、幸いです。
